日報

あるいは遺書

りゅう

二本の肢

透明になる


君は悪くないと思う


どこから来たの?


砂埃が舞う


いちいち数えている


それを


彼を


つなぎ目を引き裂くと


赤い血が流れ出す


夕暮れの空に混ざっていく


思い出せ


息をしていることを


昨日も今日もなく


二本の肢で


浮かんでは消えていく


しばらくここにいよう


大人になったら


また出会えたから


ずっと大切にしている歌がある


記憶の中じゃなくて


その中に記憶がある


引き寄せ合うから


回る


夢の中で叫ぶ


命を壊したのかもしれない


そういう遊び?


大切なものはなに?


帰り道を失くしたまま


頭の中はずっとうるさくて


仕方なくただ通り過ぎる車の数を数えることだけをした


迎えに行かなくちゃ


他のことは信じなくていい


ちゃんとへその緒でつながっているから


歩いていく


歩くのは好きだ


水の中みたいにしんとして冷たい