日報

あるいは遺書

りゅう

頭の中すぐに満たされて


どこにも行けなくなる


ロールシャッハテスト


摺りガラス越しの太陽


一つ一つ確認しては手放す


幽霊になっても会いたい


白いまばたき


光の中に溺れそうになる


増殖


入り口も出口もなく


耳を澄ます


なんとなく悲しい


匂いの染みついた衣類だけが残る


外に出てみたい、無理してでも


雨の方が好きかも


電車の通る音とか


缶コーヒーと煙草


1年後のことすら知らないし


死者に手向ける花は冷たい


安心していたい


大袈裟な言葉はいらない


ファンタの泡を吐いて


見て


鳥のように、魚のように


眠りの中に


いなくなる


影はもっと大きな影に飲み込まれて


葉っぱがこすれる音


公園で玩具の飛行機を飛ばそう


どこにでも行けばいい


知らない間につけた傷


帰り道を忘れたまま


羽根が開いていく