日報

あるいは遺書

りゅう

粒子のうねり

一緒に遠くまで来れたら


カナリアが騒いでいる


悪いことをしすぎて


皮膚が太陽を集めすぎて


死んだ木を加工する


指でプリズムをつくる


とても偶然とは思えないような話を


電話番号なんて覚えていない


街はすぐに変わっていく


空白を言葉で埋める


覚悟もなくただ単に鋭い


きらきら光るビーズを内臓に敷き詰めて


鏡には映らない


暗黙の了解


来世で会いたい、人類がまだいたら


五線譜の上に無造作に


感情があるから


誰がそれをつくったの?


何らかのシステムの上で踊る


聴覚があるから


脳みその溝に埃が溜まる


同意もなく風は吹く


実はこの身体は何万年も前から?


誰も真似できない


ここが最果ての国かもしれない


雲の形が変わっていくように


鳥の影


絡まった糸は水の流れにさらされてほどける


あなたのその柔らかい


輪郭を構成する粒子のうねり


台風の夜にじっとしていたい


バランスを欠いたまま立ち尽くしていたい