日報

あるいは遺書

りゅう

体毛を失った猿

惰性ですが?


葉が揺れる


その度に怒らないで


心ってやつを手に入れたくて


糸をほじほじしている


天国の階段上れる


何かのための空間が多すぎるから


柔らかな檻に逃げ込むんです


研ぎ澄ませたら枯れ果てた


もう一度あの場所に触ろう


一番楽しいこと以外


ゆっくりと進んでいく


砂埃の中をバスは 


目的地は必要なかった


どこかの誰かの水滴が


また一つ地球に帰った


奇怪な回路の上をたらい回しにされ


あなたのことは好きでも嫌いでもないよ


加速する度に風だと言う


取り戻したいものはたくさんあるけれど


取り戻してしまったらもう私は私ではいられない


行かないで

 


心臓の音


小さくて可愛いだけなら終わりだ


調理されていない肉を食らう


墓石と花に寄り添う


体毛を失った猿は雨に濡れ


もっと繊細なその中へ


鼓膜や網膜を剥き出しにして