日報

あるいは遺書

りゅう

水彩画

花を添えて


光をかざして


手に入れては沈める


ほっとする


弛緩した挨拶


渦を集めて飛ぶ


簡単に


もう一度眠りの中で確かめて


手のひらの感覚


全部嘘だけど


全部大切


舟を浮かべる


小さなまま


捨てられずに来た


誰にも触れられない


朝、昼、夜、夢


使い古して


繰り返し同じ信号を


改札口を出ると知らない街


空と地面があって人がいる


うんざりするほど明るい


むりやり理解しながら


歩くことに特化した生き物


新しい形だから


ようこその雨


自分だけ


沿線に沿って


響く


つまらない歌が好き、列車が通る


渡り鳥みたく


水彩画を描く


足元を浸す温かさ


教室の窓から身を乗り出して


目と手


忘れ去られたような喫茶店


一緒に忘れ去られていたい


未だ色を失ってはいないけれど


もう同じようには描けない


指は想像力を紡ぐ


勝手に
 

大きく広がって食べてしまう


違う星に来たみたいに


あれが太陽


ぼんやりと寝そべって


草の匂いを嗅いでいる


誰かと待ち合わせたいかもしれない


でも電話はすぐ捨てたい


話したことない先輩の女子に告って


振られて


河原をチャリで爆走したい