日報

あるいは遺書

りゅう

宇宙が近づいてくる


楽しかったね


嘘だった


ざらざらした手ざわり


ゆっくり丁寧に書いていけば


追いつかない


心地のいい疲労


物語を終わらせる


音楽が鳴りやんで


一瞬の沈黙


夕景が膨らむ


知っている響き


硬い骨の内側で


歴史は繰り返す


昔の自分と似たような人が


いっぱいいる


オルゴールで書いた手紙は


気流の底に消える


触れたいと感じる時


それは確かな質感を持つ


あなただけの秩序が崩れる


誰もいないから誰にも見せなくていい


空気中の渦を見る


入口じゃなくて出口だったんだ


触れたい


魂だけになって会いたい


混ざる


傷つける


光と痛みを交互にやる


これが最後の言葉になるかもしれない


冬から春へ未知る



目を閉じて目を開けた


ゆりかごのうたを