日報

あるいは遺書

りゅう

花の名前

誘っている


見つかるまで


誰もいない大学とか


噴水の虹


逃げ出してきた子犬


信じたり委ねる


呼吸


何か言いたい


まぶたの裏側で


何も付け足さないままで


あの時歩いた道をもう一度


小さなきらめき


5歳のように


抱きしめる


鉄塔に昇って


きっとあの中に隠れて


森のざわめきも届かない場所に


いくつもの潮流


全身を駆け巡る


このまま風に吹かれていたい


言葉は落ち葉みたいに


ずっと前から知っていたような気がした


冬から春へ


始発駅から終点まで


何もない存在になる


血管の中で


木漏れ日の夢を見る


手を伸ばしたかった


好きなピアノ


もう少し


夜が少しだけ好きになった


手作りの光


奥まで届く声


水は0℃で凍る


指は想像力の結晶だから


渡り鳥を追いかけて


小石を蹴って帰った


さようなら


吸い込まれていく人工衛星


長い夕方が始まる


雨は逆さまに落ちていく


花の名前を考えるように


一つ一つ罪を洗っていく


金曜日、もうこんな時間


クソのまま最高になりたい


歌に意識を織り込んで


底に着くまで