日報

あるいは遺書

りゅう

ひとひら

魚のように


しんとして


意識の蓋を開ける


誰かが出る


匂いのような


ある日、照らされて


季節を透かす


じっとしているうちに


どこにでも行ける


神様の子ども


迷子の


美しい皮膚


形作る、飾り付ける


もう一度やり直そう


振り返った後ろの正面が未来


胎児の姿勢で手を伸ばす


全部わかっていた


優しい痛み


もう一度再生しよう


何回も聴こう、擦り切れるまで


波紋のように


それは初めからある


初めて水深を知る


言葉じゃない言葉


音じゃない音楽


冬の日の太陽


ここにいるための


傷つけてもいいよ


車に乗って


白い吐息


その繰り返しに惹かれる


ひとひら、落ちて


0に近づく


小さなものに気づいていたい


憶えては忘れながら


裸足で歩く