日報

あるいは遺書

りゅう

脈打つ虹

誰もいなくなった都市


水中に吹く風


遠く離れた惑星に降り注ぐ流星群


植物の意識


あなたの罪を清める力を


あなたの代わりにわたしが信じる


流れる


ほどける


深く深く眠れ


地球の呼吸に合わせて


光り、翳り、ゆらめき


素粒子が空間を震わす


過去と未来が入り乱れる


好きな歌、好きな色、好きな匂い


静謐な願い


手を合わせる


響きを拾う


魂に触れる


ゆりかごは揺れる


あの花の香り


背中の羽根が開いていく


扉が開いていく


相互に関連し合い


影響を与え合う


愛を注ぐと同時に愛を与えられる


正しくなくても間違ってはいない


世界の完全さに気づく


雨だ


どんなに遠く離れてもわかる


鳥になって、魚になって、すぐに会いに行ける


形のないものは皮膚をすり抜けて


そっと染み渡って


脈打つ虹を感じる


微笑む


順番に空に沈む


夕日、影は混ざって


どこまでも遠くへ


安心して


二人で行こうね