日報

あるいは遺書

りゅう

その愛に満ちた眼差しが

記憶は彩度を失い


季節はますます色づく


ここにいるだけで


影の声を聴いて


心臓の鼓動に合わせて


ステップを踏む


寄せては返す潮騒


身体は駆けだす


バランスを崩して


転んで


不均衡になって


またひとりでにもとに戻る


ぐるぐる


さようなら、またどこかで


どこか遠くから届いた音


窓の外に意識を向ける


ここはどこ?


当たり前だったものやことが


その裏に隠した意味をそっと教えた


ひそひそ


鼓膜が揺れる


自分で自分を抱きしめる


自分って誰?


ほら、指し示す


祠の入り口


あの痛みは何だったの?


次々と羽ばたく


黒と白が混ざり合う


念仏


足裏で地球に触る


どんなに時代が変わっても


本当のことはそうそう変わらないから安心するといい


また沈黙が流れる


好きな色について思い浮かべる


破壊と再生


感情のエネルギー


透明になりたい


優しくなりたい


取り返しのつかないことをしてしまった


朝、昼、夜、夢、繰り返す


諦めてもいいよ


信じても信じなくても


あなたは救われる



逃げる


ぼやけた輪郭


曖昧な笑み


日当たりの悪い部屋


呼吸の響きを捕まえて


手のひら


触りたい


守ってくれてありがとう


絶え間なく、とめどなく、時間が流れる


どこか遠くへ行こう、思いつき


全部捨てる


耳鳴りがする


上流の方へ


確かめに行こう


開く


静かな朝


その愛に満ちた眼差しが


この身体に命を吹き込んだ


いつも始まってるから


いつでも終われる


次のページへ行ってみよう


空と海の交じり合う楽園