日報

あるいは遺書

りゅう

灼けつくような温もり

いつもと同じ朝に


秘密が頬を伝う


ぬるい風


胎内の中で蠢く


見たことのある景色


青い泡


手を差し伸べる


影と影の重なり合うところ


誰も知らない


透明なまま


帰り道


笑っていたい


言う


零れる


心臓がときめく


深い空の底まで溶ける


イメージをしよう


同じ傘の下


命を食べながら廻る


おそろいの痛み


かつて形だったもの


日々のひび割れを


そっと撫ぜる


言葉にならない声で話す


生まれたくなかったと思ったりもした


天使と悪魔、どっちでもいい


懐かしい匂いを探してしまう


目を閉じて


身体を失くす


淡く淡く続く


信じたくなくて抱き寄せる


灼けつくような温もり


白い布


喜び、悲しみ、交互に縫う


窓辺に座って


ふわふわ浮かんだ


記憶のような姿をした何か


会いに来たよ


ちかちかと点滅する


人工衛星


私の中にある海が騒ぐ


意味を失って絡まったまま


そのまま


頼りなく頷く


その時はやってくる


手を繋いで


虹の始まりを見に行こう


昆虫の足音に耳を澄ます


あなたは誰?


幽霊になった気分で


教えて


捨てられた子犬


誰もいない遊園地


点と線が繋がり始める


また君とそこにいたい


埃を被ったオルゴール


動かない時計