日報

あるいは遺書

りゅう

手を伸ばしてみる


木立のざわめき


光る雲、まばたき


遠のいては近づく


星の光り、無数の時間


重なり合う


夜の色に溶けて


ずっと昔、まだここが海の底だった頃


想像する


目を閉じて泳ぐ


迷子になりたい


振動する


引き寄せ合う力に身を任せて


罪の容れ物の蓋がゆるむ


混沌へと流れ出す


がたんごとん


運ばれていく


成すすべなく途方に暮れて


オノマトペを反芻する


1、2、3、4


あ、虹


どんどん混ざる


わからなくなっていく


体の中に海が満ちる


自分が自分じゃないような


不思議な感覚を受け入れる


ただ窓を開けて


やってくるもの


還っていくもの


秘密の場所


抱きしめる


傷ついた子ども


今は何も考えないで


透明な色に近づくように


ほとんどのことを忘れた後に


ほんの少し残った温かさ


大丈夫、君はどこにでも行けるよ


知らない誰かの祈りが


わたしを優しく包む


手のひらできらきら光る砂