日報

あるいは遺書

りゅう

暴力の痕

灰色の空が


眩しい


生まれるときに


鏡の歌


ゆるやかに続く曲線


窓を開けて


いつもと同じ


階段を


静まり返る


森の中で


可能性


旅を続けよう


追いかけながら逃げる


魂の重さを測る



匂いを探す


もう帰ろう


あれはなに?


淡く積もる


地球が何周廻っても


君の鎖


楽になれるといいね


天国の雲


溢れだす


頭の中から


世界を映す


心臓の指し示す方へ


柔らかく壊れる


季節の変わり目に


流れる


点と線が勝手につながって


さようなら


尊い


音もなく


ここにいることが不思議


手を伸ばしてもいい?


バラバラになる


夏の虫の死骸


街は呼吸する


おばあちゃんちに行きたい


景色は淡々と移り変わっていく


仄かな光


陰影の中に形を探す


曖昧なまま咲く


息もできない


両手をひろげる


触媒になる


自分らしくなんてならなくていい


記憶と海を失くす


鳥はなぜ飛べるの?


でも今は進むしかない


怒りをゆっくりとほどいて


夕焼け小焼けの赤とんぼ


時間は前にだけ進むわけじゃない


つらつらと書く


どうでもいいのに


祈りの言葉


どんな気持ちにもなろうとしなくていい


手足は働く


声は歌う


水を含む


影は揺らぐ


仰向けに寝転がって


どこにもいないような


冷たくて温かい


暴力の痕


雨を浴びて


寄せては返す痛みを撫でる


生きたいと細胞が蠢く


蝉の抜け殻


優しい命


ただいま


おかえり


それはそこにある


小さな響き


気づく