再生
相互に
交換し合う
欠片
響き
今日と明日
1と0とその間
君の記憶の中に入る
風になって
鳥になって
意味を失いながら
また生まれ変わる
連続する渦
窓を叩く雨粒
永遠から来て永遠に還るだけ
手を合わせ輪をつくる
触媒になる
またね
その時列車が通り過ぎる
遠くに行く日の朝
幸せも悲しみも
そのまま受け取る
ひらく音
日々を
君を
通り過ぎる
過去と未来
沈黙
花束を贈る
子どもたちは歌う
命が命を食べる
やってきては去っていく
石段をゆっくりと登って
今は何も考えなくていい
毛布をかける
自我がバラバラになる
追いかけながら逃げる
蝉
人は優しい
ただ運ばれていく
後部座席で
あくびして涙
街は輝く
これで最後かもしれないな
ようやく気づく
風景の一部になって
濃密に関係し合う
この時代、この国で
吸って、吐いて
満ちる、欠ける
心がほどける
見つけた
時計の針の音
ゆっくりと壊れていく音
君一人分の空白を抱きしめる
まぶたの裏で
小さな約束を交わす