日報

あるいは遺書

りゅう

さなぎ

どうしても、どこからか


零れ落ちてしまう


鈍い痛み


日々の歪み


虹の始まり


温かな彼方


蝶の飛び方


ファンタの泡


うたかた


改札口から吐き出される


顔と身体と影


流れていく


浮かび上がる


前頭葉


記憶を空へ


混ざり合うイメージ


間違ったまま


幻想の色彩を手がかりにして


オルゴールの信号を打つ


雲の壊れ方を思う


透明な繭を食べる


粛々と一日をこなす


胎児の姿勢


淡く絵を描くように


僅かな金色の風を捕まえる


夜を泳いで


朝を憶えた


笑顔が好きだ


今すぐ消えたい


両手を拡げる


豊かな沈黙


花が零れた


羽根が開いた


強引に奪われたい


雨を降らせて


何かの前兆のような耳鳴り


その空白をできれば愛したい


街の呼吸に合わせて


不思議な夢を紡ぐ


光、命、静かに揺らめいて


弛緩する身体に意識を委ねる


幾何学模様が巡る


血液の循環が分かる


これ以上取引はしない


落ち葉、はらはら


飛行機雲


今日まで生きてきた


だから迎えに行かなくちゃ


風の通り道を辿って


太陽の周りをもう一周したら


時空のトンネル


皮膚の下の思い


ゆっくりと振り子のように


さなぎになって揺れる