日報

あるいは遺書

りゅう

慈しむ手のひらの感覚

見よう、なんでも


新しい光だ、僕たちの



物語の連なり


旅に出よう


悲しみは持ったまま


まばたきをする


1秒、1秒


胎児の姿勢で


感受性を開いて


頭からつま先まで染まるように


季節


匂い


うつくしい歌


宇宙の体


放課後の吹奏楽


窓を開けなくちゃ


まどろみ


世界はどこに向かっているの


両手をひろげる


考える前に入ってくる


風が吹く、後ろへ、後ろへ


何が足りないんだろう


膨らんで弾ける


扉の先へ


何度ももがく


息をしている


白くなる


記憶を失う


湖に反射する欠片


柔らかく壊れていく


それをただ見ている


仄かな灯火


幽霊船


音もなく、大人しく


黒い瞳


カーテンがふわふわ揺らぐ


素粒子が滲む


まだ言葉になる前の声で


愛を発声する


青い街に夕日が射す


忍び寄る


影と影の影


わたしはあなた


慎重に、丁寧に


折り重なれ、降り積もれ、地層


妖精のように踊る


左右対称に


再び帰る


ここじゃないどこかに


接続して


誰にも読まれなかった手紙


引き寄せ合う力の弱まり


星の点滅


呼んでよ


蝶みたいに飛ぶ


慈しむ手のひらの感覚


ありがとう


花を贈ろう


雨が降り続く


今日と明日は接続された


懐かしい未来


知らない誰かの温もり


煙草の煙みたいに消えたい


目を閉じてみる


直感を信じる


善悪の彼岸


たっぷりと水を含んだ細胞が渇望する


飛ぶときは前だけを向いて


輪廻


上手くいくように祈ってる


どうか夜を嫌いにならないように


おかえりなさい