日報

あるいは遺書

りゅう

透明な体


雲のように


光を吸い込む


意味が渦巻く


空の音


折り重なって


またここに戻ってくるだろうか


季節は揺らぐ


ここにある


嘘をつく


もっとよくなるように


自転車を漕いで


風を受ける


心臓に手を当てて


運ばれていくことを確かめる


水面に映る影


ゆっくりと混ざっていくのをそのままにする


鳥や魚のように上手になりたい


指先で触れる


小さな命


遠くまできた


静けさの粒を一つ一つ


白さに浸して


そっと描く


葉脈


まばたきをする


たった1秒の間に


何もかも変わってしまう


さようならと言う


覚悟もなく


もう一つの白い影


窓辺を打つ雨粒


呼吸だけに身を委ねてみる


もう使う必要のないもの


神の国に還そう


ありがとう


昆虫の足音を注意深く聴くように


今日と明日を繋いでいく


やってきては去っていく


記憶をあげたい


ふと振り向いて


手のひらから零れ落ちた


気の流れる方へ向かおう


木立のざわめき


両手をひろげる