日報

あるいは遺書

りゅう

呼ばれる

ここからいなくなる時は


知らせて


光の中で


罪を清める


ふと浮かんだイメージ


持って帰ろう


旅をしながら


夜と朝の間みたいな街を泳ぐ


鎖につながれている人


どこに運ばれていくんだろう


最初の呼吸をしたときのこと


白い部屋


そこにいきたい


点滅する星


ずっとちゃんとしていなくてもいい


渦巻くたくさんの声


季節の真っただ中で


教えてください


淡い鼓動の揺れる


潮騒


夏の色の濃い影


木立のざわめき


裸足ではしゃぐ


眠りの中で目覚める


小さな音


両手をひろげる


翼みたいに


いつかまたね


行ったり来たり


寄せては返す寝息


包まれているような


シャボン玉は空へ


虹の始まりについて


あ、見つけた


記憶の彼方から今ここ


地球の自転する速度に合わせて開く


積み上げては崩す遊び


君だけが紡ぎだす神聖な沈黙


呼ばれる


水面を渡る風


指し示すそれ


この小さな命を護らなくては


粒子の震えに同期する


秘密の通路を抜けて


ひとりでもみんなでもなく、ふたりで


光り、翳り


満ちる、欠ける