日報

あるいは遺書

りゅう

あなたは最初から許されている

台風が過ぎた


淡い白さ


窓を開けよう


まだ生きている


光を誘う


秘密を分け合う


この世界の一部として


膨らんでは萎む


記憶の循環


音を聴かせて


満ちる、欠ける


点滅する


空を指さす


柔らかい皮膚


点と線をだんだん繋ぐ


伝えたいことがなんとなくわかる


今ここにいるだけでいいということ


一言も喋らずに


絆を結ぶ


ゆっくりと時間をかけて


心臓の奥深くまで染み込む


粒子の震え


金色の風


あなたは最初から許されている


飛ぶための歌


組成が組み換わる


太陽が再生する


愛しい沈黙の中で


指先に触れる


羊水に満たされる


再び巡ってくる


淡い鳴き声


天気輪の柱は廻る


火を灯せ


必ず会える


風船が空に落ちていく


赤、青、白


寄せては返す


舟を浮かべる


照りつける陽射し


濃い影と共に