日報

あるいは遺書

りゅう

鏡の世界で


街は呼吸する


生まれる音がする


そしてほどける


淡く青い中で


匂いを探す


それも音に変換する


カタカタ


微かに震える窓


台風がくる


声が渦巻く


心地よい怠さ


水たまりの中でまどろむ


美しさを定義する


手と手を合わせる


形がなくなる


そうしてやっと


命を分け合う


意識の奥まで波紋が伝う


通り過ぎていく


鳥のように、魚のように


何もかも失くして


すべてを手に入れたい


たましいが悲しい


誰も知らない


思惟


静かに


扉を開ける


扉を閉める


取り返しがつかなく


衣替え


風邪をひく


ここにいることを教えたい


ひび割れ


湧き出す


花が零れる


小さな渦を指し示す


間違ったまま


月の光


遠くから、遠くまで


やってくる、やっていこう


交互に縫う


死者を悼む


線に沿って


バラバラになる感じ


もう一人の自分になって


そっと歩く


色を失くす


指先で繋がる


過去と未来を同時に紡ぐ


最初の物語


膨らんで弾けた


ファンタの泡


人形たちは歌う


愛に包まれる


どんなに嫌がっても


そのために


そのままで


一対の目


糸を吐く


どうしても、どうか


お願いします


崩れる


白と黒を待ってる