日報

あるいは遺書

りゅう

降る

髪飾り


光の海


東京が好き?


沈黙を使って話す


あの祠の前までまた行こう


空気を揺らす周期、その速さ


自転車で坂を下る


一つ一つ感じる


間違いじゃない


風でページがめくれる


指し示すもの


何か受け取る


偶然じゃない


身体に身を委ねる


透き通る


気づいていたい


できるだけ優しくしたい


黒い服を着た人たち


感情を淡く受け取る


詩のように


交互に縫う


海月のようにふわふわ歩く


今はそうしていよう


地下の水脈


光と影、形はない


雨のように


制御できない


降る


折り重なる


再構成する


染み渡る感覚


ああ、そうだったんだ、と思う


それは動き続ける


車窓を眺める


周波数の小さな台風


入っては出ていく


一対の眼差し


意味と無意味の境界に立って


夕暮れを見送った


赤ちゃんの頃からあるもの


夜の泳ぎ方を練習する


特定の誰かに寄り添うような歌


癒す力


それも降る


まどろむ


ここにあるけどない


仄かな火を消してしまわないように


そっと鍵盤を弾く


昆虫の足音を聴く


さようなら、と不意に思う


悲しいのか嬉しいのかわからない


胎児の姿勢になって祈る


そうするべきなのだと思う


あらゆる要素が沈静化していく


萩野竜侑を呼ぶ声


メロディーに変換され記憶として保存する


今日から明日へと満ちる


あの子はまだ頼りなく揺れて


柔らかく崩れ落ちていく