日報

あるいは遺書

りゅう

手から零れ落ちる光


沈黙の朝


何も考えなくてもいい


温かな彼方から来る


風がカーテンを揺らす


そこにいればいい


君は君のままでよくて


君のままじゃなくてもいい


影が影を抱く


鏡に鏡を反射する


手と手を重ねて


今日と明日を縫う


静かに降り積もる


白い


泳ぐ


沈む


短い夏


子どもたちが駆ける


良くないことばかりじゃなかった気がする


美しい部分にも気がつける


何となく紙に書く


つらつら


弦を鳴らす


コーヒーを飲む


扉を開ける


あの記憶は永遠の中に溶かして


空っぽの人間になりたい


不可思議


遠くへ帰ろう


身を委ねていく


ベランダから手を振る


呼吸する街の中で佇む


今見ているものがすべて


みなしごのゆりかごは揺れる


風景に風景が折り重なる


許された眠りの中で


触るように聴く


聴くように見る


新しいいのち


水で満たされる


上手くできなくていいよ


あなたは存在した


いつもそこに


怖くない


混ざり始める