日報

あるいは遺書

りゅう

温かな彼方の風


ただ共振する


何もかも手放して


ここにいるけどいない


見ている


昨日、今日、明日


昆虫の足音


匂いを探す


ささやかな交換


青の奥深く


ファンタの泡を吐いて


淡く滲む虹


心臓のサイクルで


生活を積み上げては壊す


また会いたい


翼を拡げる


よだかの星は今も輝く


本当は何もいらない


ようこその雨


痛みを分け合う


繰り返しそうする


どこかではまた朝が生まれる


その音はちゃんとここまで届いている


魂の形は皆同じだから


罪を清めることを恐れるな


愛を発音する


小さな渦巻き


光を食べて


鍵盤を叩く


その上を歩く


水面を渡る温度の層


幾重にも波紋が折り重なって


静寂を守る


沈黙を愛でる


死者を悼むように


街は呼吸する


ただそうしていればいい


秒針は震えて


善悪の彼岸


移り変わる


過去と未来が入り混じる


パズルのピースが欠ける


煙草の煙が空に溶けていく


なんとなく胸が躍る


なんとなく数を数える


なんとなく分かっていく


旅は続く


君の声が悲しみを癒す


海月のように漂って


何度も向きが変わる


やっていこう


目を閉じて触れる