日報

あるいは遺書

りゅう

波紋

痛みのない海


降る声


どこからともなく


灯る光


誰かが誰かを欺く


まだ不安定な輪郭


できるだけ届きたい


さようなら


赤ちゃんになる


影法師


鐘の音


記号の群れ


温かい水の揺らめき


次へ、次へ


満ちる、欠ける


彷徨う


触れる


始まりの朝の記憶


いつもと同じ柔らかい陽射し


浮き出した静脈を撫ぜる


怖さを好奇心で薄める


小学生が学校に向かっている


黒い鳥の軌跡をなぞって


少しでも良くなるように


コーヒーの白い湯気


近頃は少し空気が澄んできた


虹の透明な部分に指先を浸して


この気持ちは何なのかよくわからない


風がざわざわと木々を揺らす


静寂が耳の奥で鳴る


ここにいるだけでいいのに


いてもたってもいられない


目を閉じて目を覚ます


未来から過去へ送信する


胎児の姿勢


取り返しのつかないくらい


涙の痕に沿って


時間の波に酔って


オルゴールの周波数に変換する


何度も、何度も


脳は液体のようになって


複雑な波紋をつくる


物事は常に反対の意味を含む


手と手


甘い香り


もうポケモンやってた頃には戻れない


自分は他人だから自分と他人を比べても意味ない


さあ行こう


今のうちに


通り過ぎる


流れ出る


秒針のリズムと同期して