日報

あるいは遺書

りゅう

雨の痕を追って


戻りたくない窓


いつも歌う


匂いを探す


感覚を混ぜる


子どもの頃の夢


硝子を沈める


また会いたい


小さな渦巻き


耳をすませば


新しい声


記号の群れ


ノートをめくる


東京が揺れる


朝へ


身を委ねる


闇を切り裂いて


大切な赤ちゃん


彷徨う幽霊


紫陽花の中へ


待ちわびたまま


羽根を拡げる


聖なる歌姫


ほどける紐


移動しよう


心臓の振動


意味に溺れる


手と手を重ねる


小さくなって


見えなくなって


ひとつ、ふたつ


雨宿り


もう誰もいない


帰り道、影


仕事をする


いつも追いかけるように逃げる


白く濁った空の底


共感


今日も何かが行われていく


誰かの何らかの進行が鼓膜を揺らしている


いくつもの波紋が


鳴き声が


いただきます


ごちそうさま


世界から出たり入ったりして


大切な人にプレゼントするために


こんなに物が溢れているのかもね