日報

あるいは遺書

りゅう

私に似てる人

石段を駆け下りて


アスファルトの凹凸


昆虫の足音


寄せては返す


ざわざわ


透明になりたかった


手を振る


旅は続く


時間を泳ぐ


硝子を沈める


厳かな沈黙に抱かれて


最初から何もなかった


気持ちいい


戦わないで


逃げる、追いかける


あなたとそうじゃないものの境目で


風景と調和する


匂いを感じ取る


大切な秘密を発音しながら


その先に進む


何もない未来


夏の水玉


交差して


手と手


街は呼吸する


だらだらと続く


嘘も本当もない


記憶は過去だけにあるわけじゃない


見たい


命が命になるときに


奏でる波形の渦


見てしまう


意識がある


あれもこれもぜんぶ


0と1とふたり


痛みが生まれた


とぼとぼ歩く


きらきら光る


誰かの生活


内臓の声に耳を澄ませる


約束を使って羽ばたく


海に行きたい


夏祭りとか花火も


一回は行きたい


今この瞬間だけに体重を預けて


夕焼け、朝焼け


支配から逃れた


もう大人なんだから


もう振り返らない


説明はいらない


新しい風


金色の雨


歌を捕まえる


心臓に手を当てる


愛を込めて


不在の輪郭を撫でる


優しさが必要だ君には


洗濯物がはたはたと揺れる


舟を浮かべるように生きて


もう一周したらまた会おう