日報

あるいは遺書

りゅう

家出のすすめ

未来の自分が今


形を求めて


のたうつ竜のように


痛い


犯罪者になりたくなかった


社会


トンネルを抜けたら


落ち続ける


壊れた遊園地


いつもいる


匂いを探す


どこまでも続く帰り道


鳥がふわりと舞い上がる


かっこいい


宇宙の景色


夢の中で触る


見つけたい


鼓動の声


無重力の体にも慣れて


土の中で腐る


月明かりが照らす


どこかに隠れよう


手と手を重ねて


水槽の中の金魚は


知らない言葉を集めて


耳をすませば


夏休みの絵日記


何らかの知識を深めたい


ゲームばかりに飽きて


死ぬかもしれないのに


そんなことをしていると


誰も見ていないから


とぼとぼ歩く


忘れてることがたくさんある気がする


もうどうしても手遅れなほど


滲む夕焼けの青さ


涙は気化して


帰りは雨


通り過ぎていく


街から街へ、駅から駅へ


もっと空虚になりたい


弱く、やわらかく


どうか受け止めて


真夜中の公園の遊具


影が影を包む


守りたかった


透明な膜の境目に沿って


家出をした


この悲しみを大切にしていた


誰が何と言おうと


魔法


寄せては返すように


運んでいく


体重を預けて


カナリアの声を真似て


空港にて


だんだんと深く


泳いでいく


そうなりたかった


それを鳴らした