日報

あるいは遺書

りゅう

アメーバみたいに

後悔はもうない


白い光


始まる


海の導


共に立つ


交わらない線


宇宙の中へ


歌いたゆたう


こうして指先を浸していると


思い出す或る感触


窓の外


雨の音


許された眠り


やわらかくなってきた


もう少しここにいよう


寄り添って


不思議な響き


消えた星のように


織り重なって


水面の揺らぐ像


抱きとめられる


大切なものを失くす


ふと振り返る


髪が風で揺れる


足裏で地球に触る


鼓膜はいつも震えている


もし愛し合えたら


気泡を吐き出して


上へ、上へ


何もかも終わった朝に


行く当てもなく


逃げる、追いかける


影を捕まえる


ゆりかごの中で


欠けたパズルのピース


君を思う人がいる


波のように寄せては返す


迷子になりたい


鳥になりたい


花を飾る


うごめく


たくさんの小さなもの


甘い香り


天を指し示す


教室の窓から身を乗り出す


分からないことばかり


構わない、行こう、車窓


夜と朝の移り変わり方で愛そう


邂逅し合う青、緑、それら


回転するおもちゃ


静謐な


こぼれる


夢のざわめき


ずっと前から知っていたこと


確かめ合う


アメーバみたいに


色のない底まで