日報

あるいは遺書

りゅう

無題

ゆるく続く


大切さはほどけて


新しいいのち


寄せては返す


木々がざわざわと震える


自分なりにもう一度


世界を再構築しよう


小さな音の幽霊


どんな形であっても


細胞とそうじゃない部分の境目に咲く


束の間の静けさ


疲れて淀んだ意識


もう何も言わない


街を見下ろす


すぐに忘れてしまう


海藻とかくらげみたいに流されていたい


躊躇いがちに光を集めて


今ここの魔法


温かな嘘


もうすぐ夏がやってくる


花火、子供、水の戯れ


複合的な意味を添えて


愛を食べたい


カナリアの声を真似て青へ


自転車に乗って坂を下る


大体のことが関係なくなる


漫画みたいだな


臓器の収縮


惑星の軌道上


やわらかくこわれた


コーヒーを飲んで、ケーキを食べる


最初の匂い


包まれる感覚


いつかはみんな帰る場所で


待ちわびていた


煙の夢は青へ


さようなら、と発音する


儀式みたいに


もう眠ってしまおう


その無防備さが好き


上も下も失くなって空へ堕ちていく


戦闘機が空を切り裂くのが見える


どんな気持ちだろう、あれに乗るのは


赤ちゃん


遠ざかってしまう


サボテンに水をやる