日報

あるいは遺書

りゅう

ほら


意味のない


心地いい


穴の中で


生き物だった頃の風景


だんだん小さくなって


透明な渦


両手を広げる


花の香り


まぶたが重い


いずれ全身が生きていなくなる


だとしても


約束の効力を信じる


教室の窓から身を乗り出して


放課後の風


吹奏楽のメロディー


何か秘密のことを


集合体


忘れられたい


分離


ずっと前から


手遅れの夕焼け


膨らんで弾けた


海底都市


手を繋いで


ファンタの泡が


しとしと雨


ゆっくりと埃を被っていく


死のイメージを手渡して


交換しよう


自分が今どこにいるのかも忘れながら


笑いたい


ようこそ、赤ちゃん


そのもっと奥へ


巡って、巡って


追いかけっこ


未知なる方へ


君の重力を廻る


新しい発見


それが旅だよ


言葉と言葉の間の沈黙


美しい四本の肢


咲き乱れて


変わっていくことを恐れないで


そしてどうか夜を嫌いにならないように


窓辺に座って


祈りに色を垂らしていく


交互に


手のひらの温度


みちがえる


時間が通い始める


終わりと始まりを繋げた


もっと弱くなりたい


大切なものを失くした


足の裏で地球に触る


北や南はもうどっちでもいい


ただ暮らす


記憶を映す


邂逅し合おうよ


もっともっと話したい永遠に


小さな痛みと共に


光を許して


トンネル、それから海


何を探しているの


街は呼吸する


その中を泳ぐ魚


今そこにあるものだけを抱きしめる


月日が変えてしまった後の孤独


歌が生まれる


幽霊になって


満ちていく


逆さまの嘘は本当


そっと目を閉じてみて