日報

あるいは遺書

りゅう

液体

少しでも


良くなるように


湖に


硝子を沈める


それを続ける


約束をほどく


火を灯す


季節は移ろっていく


虚ろな目をしている


美しいと思う


鼓動を打つのが分かる


今日と明日


手と手を重ねる


雨宿り


一休み


窓辺の風景


後ろへ流れていく


車窓みたいに


もう見ない


風船だから


偶然に身を任せながら


意味が意味を読み取るときに


太陽の光を感じる


肌が最初に気づく


自動的に


歯車のように


伝わっていく


細胞が目まぐるしく


表情を変えて


移り変わって映し出す


美しいと思う


鼓動を打つ


静けさが苦しい


苦しみが愛しい


手を伸ばす


上と下が反対になる


どっちが始まりでどっちが終わりでもいい


目の前に


ずっと遠くに


君や自分


鳥になって、魚になって


夢を見てもいいよね


居場所があるなら


奏でて


知らせて


記憶を弄んで


未来を好き勝手に決める


左右非対称の葉


どこにいるの?


地の底から熱い水が噴き出して


プランクトンみたいになる


まだ言葉になる前の言葉を喋るから


何も間違ってない


誰も選ばれてない


神さまに愛された子どものように


踊る


時間の喪失


虹の彼方


満ち足りた嘘


帝王切開


川が氾濫する


正の値と負の値が拮抗して


街は虚ろな静けさに沈む


透明な周波数が聴こえる


初めての恋をする


吸い込まれそうになる


たましいが溶け出していく


簡単な嘘にも騙される


あまりにも柔らかくなりすぎて形を保てない


液体になるのは心地いい


でもそれでいいの?


誰かが言う


自分であり社会でありあなたであり神さまでもある


祠が開かれていく


見えなかったものが見えるようになる


悲しみがこの世界に繋ぎとめる


息づかせる


ある日優しく芽を出す


どうして


毎朝コーヒーを飲む


毎朝言葉と遊ぶ


太陽の位置で現在地を確かめる


指先で底に接続する


一つになって


分裂して


上手くいかないということは上手くいっているということ


さようなら


また明日


詩を編む、交互に