日報

あるいは遺書

りゅう

無題

青く滲んだ


風景の渦に沿って


目を開ける


夕日の色


匂い


抱き寄せる小さな身体


もう一人の小さな自分


大切な欠片がまだ


灰色になって


さっきまで考えていたことを忘れた


ただ沈む


手に手を重ねて


表情を読み取る


声で認証する


言葉がもがく


ファンタの泡を吐き出して


どこまでも深く


始まりも終わりもない


てんとうむし


太陽の虫


微笑む


なにかわくわくすること


心臓の部屋から


未知に還る


トンネルをくぐって


知らなかった記憶


窓を開けて


鼓膜を揺らす


さざ波


パズルのピース


ささやき


だんだんわかってくる


目を覚ます


時計の音


靴ひもを結んで


お喋りは続く


恒常性


いつか会いたい


まばたきをする


海に行きたい


消えた星を追う


ここにいること


震える瞼


美しい世界


何もわからなくなる


目を閉じる


ぐるぐる


行ったり来たり


神聖な沈黙


こぼれた花


風に乗って


さようなら


たましいの重さ



もし君がいたら


冷たい


躊躇いながら指先を浸す


遊ぼう


カナリアの声を真似て


この身体を返すときは


憶えていたい


きこえる


空の奥へ


もっと遠くへ


植物になって伸びていく


オルゴールの波長で


いつかまた


彼方から