日報

あるいは遺書

りゅう

初めてそこに触れたとき世界が青くなるのを感じた

初めてそこに触れたとき


世界が青くなるのを感じた


時間がとめどなく流れていくのを


ただ見ていたいここで


生命が蠢く


指先を浸す


まだ君に出会ったことがない


バスに揺られて


夜が明けようとしている


見知らぬ国のアスファルトと土埃


星が消える


子宮の中にいたときから知っている音楽


優しくされたい


影が影を包む


ずっとこんな風に言葉を使いたい


水の中で光が揺らぐ


今日と明日の間を行ったり来たりする


だんだんと物語は熱を帯びて


不意に色が弾ける


魚になった


風船が空に堕ちていく


橙色に染まった天使


温かさと冷たさが入り混じる


歩いても、歩いても、終わりがない


子どもたちの残酷な響き


神さまが僕たちを作った意味がわかった


でもすぐに忘れた


懐かしい未来


騒々しい想像力


帰らなくちゃ


循環構造


曖昧に手を振る


こんなのじゃ後から後悔する


ずいぶんと疲れてしまった


やりたくないことばかりやっていたから


コーヒーの白い湯気


窓辺で雨粒を眺める


周りに誰もいないとき僕は誰でもなくなる


空間をうずめる小さな振動に耳を澄ませる


硝子を沈める


膨らんだり縮んだりするだけの生き物


もうすぐ忘れるだろう、君の声も


注意が逸れていく


ここがどこなのか知りたい