日報

あるいは遺書

りゅう

蝶の飛び方

新しい歌をつくりたい


朝に


心臓が潰れる


胎内で蠢く


言葉をください


扉を開けたい


どう思った?


光と影を抱きしめて


流れていくその模様をずっと見てた


雨の日


誰かが鐘を鳴らした


始まりも終わりもなかった


未来も過去も形を失くした


たった一人で


一緒に揺れよう


透明な身体


手と手を重ねて


空を横切る


宇宙の塵


冷たさを孕んだ風


消えた星


いつまでも


願いと祈りを乗せて


変質していく


水の中で歪む光みたい


同系色の繰り返すパターン


コピー&ペースト


天気輪の柱


息づく


認識する前に分かった


君と同じ時代に生まれてよかった


知らない人の灯火が照らした


見覚えのある景色


幽霊


次々と片付けて


辿り着きたいけど


あの歌を忘れたの?


もう翼はいらない


糸を優しく食べて


やわらかくこわれた


西日の射す部屋


ふわふわと浮かんだ


そんな風に受け取らないで


痛みと苦しみの螺旋


傷の入口


無が有るということ


目を覚ませ


強い力


身を任せる


レイプされる


許したくても許せない


瞼を閉じる


卵の殻


大切なものはなに?


風景が滲んでいく


大きな地震


知らない街で迷子になる


感情のない子どもたち


神さまの歌


さようなら


泣かないで


蝶の飛び方


海を忘れる


どこかでまた会えたらその時はもっと


最後まで言う前に途切れる


窓の外をただ眺める