日報

あるいは遺書

りゅう

成長

会いにいくよ


モノクロの


あつめて


鳥の軌跡


横たわる


ふと、透明な


息を漏らす


聞こえたかな


小さな振動になる


誰かに伝えたい


列車に乗って


懐かしい未来


じんわりと温める


ゆっくりと繋がり始める


夜を歪める


胎内の記憶


君は圧倒的に正しい


この世で一番


愛のざわめき


複数の意志


今は立ち止まりたくないんだ


目を閉じて空と海の狭間にいく


何から話そう


死後の世界?


天国に手を伸ばす


身体の隅々まで


葉脈を透かす


おいで


手を振る子ども


自分のようで自分じゃない声


古い時計がまだ息づく


植物の甘い香り


静かに拡がる意識


今までみえなかったものが


鮮やかに形を持ち始める


もう一度初めからやり直そう


生き物だったころ


手のひらに


色とりどりの風船


逆さの空に堕ちていく


大きな穴に吸い込まれる


引き寄せ合い、突き放し合う


鏡のように


僕がいて君がいる


遠く離れる


大したことじゃないよね


朝がきて夜がくる


粛々と修復する


膨張して収縮する


花を飾る


シャンプーの匂い


手遅れの夕暮れ


鐘の音


全身を循環する


好きな歌を口ずさむ


もう何も見えない


もうどうでもよくなる


死の恐怖もほどけた


記憶が静かに壊れていく


家に帰りたい


鍵を開けて


褒めたい


よく頑張ったね


光をつくろう


初めて海を見たときのことを思い出す


オルゴールを贈る


天使の笑顔が優しい


また季節が巡る


また君は一回り大きくなった