日報

あるいは遺書

りゅう

大切

生まれたばかりの時は別にそんなこと考えてなかったのに


トンネルをくぐりぬける


初夏の手ざわり


どこに連れて行かれるんだろう


僕によく似た君の姿


鏡のように反転する


手と手


想像できることは大体起こる


低空飛行


夕暮れと夜の間で佇んで


影がもっと大きな影に飲み込まれるのを見てる


ゆっくりと螺旋階段を降りていくように


足裏の感覚を一歩一歩確かめる


何しにきたの?


未来から過去へ果てしなく突き刺す声


意識の流星


その匂いに抱かれて


全部どうでもよくなりたいのになれない


ただ静かにきらめく


たましいだけになってもう一度会いたい


逆さまの感覚を憶える


大切な話


繰り返される過ち


またここに戻ってこれたならその時は


目を閉じる


時間や空間は一定じゃない


大きくなったり小さくなったりその波を捉える


君のおもちゃになりたい


できもしない約束をしてしまう


太陽がぎらぎらと見ている


どこか遠くの国の風習に馴染んでみたい


まだ会ったことのない友だちの名前を予想してみる


斎藤、安藤、アンドリュー・・・


窓辺に座って何もしないをする


こっちにおいで


星を抱く


ホットミルクの白い湯気


言葉を忘れたい、そしてまた一から憶え直したい、そんな気分、わかる?


見えないものを見ようとして望遠鏡を覗き込んだ


家族になりたい


ゆるやかな夢


丸い


誰も悪くない


この世でいちばんやわらかい場所


飛び出す絵本


後でまた会おうね、絶対