日報

あるいは遺書

りゅう

朝の風

そしてまた朝になった


ここに座っている


今日は風が強い


水が流れている


細胞の方向が揃う


こっちにおいで


頼りなく微笑む


記憶の音楽


たましいの重さを測りながら


現れては消える妖精たち


その冷たさに手のひらを浸して


子どもの頃から


誰かと遊びたい


耳をすませば


木々のざわめき


翅が


世界は小さな振動に溢れている


どっか行こうよ


どこにも行けなくたって


存在、音符


手を握る


天を指し示す


抵抗をなくす


風船みたいに


江ノ島水族館


どこからきてどこへいくの


幻が実在するように


鳥が描く方角


網膜で聴いたり鼓膜で触る


あくびをする


トンネル、海


ゆるやかなカーブ


夏は、すぐそこ


心を奏でる


君はうつくしい


友だちになりたい


回ってるのを見るのが好き


この意識の溶け方が好き


光る声


歩いていく


知らない誰かが可哀想だと言う


へえ


振り返る


びゅーん


また飛行機が飛ぶ