日報

あるいは遺書

りゅう

ピンクローター

静かに上下する


水の部屋の


五月の匂い


温かい影に包まれて


過去と未来を組み合わせた


記憶のふるさとに


空の底に


還る


遊ぶために遊ぼう


流れと流れの


渦を巻く


照らしてみて


可愛そうな窓


形を持たない


行ったり来たりする


トンネルをくぐって


見覚えのある


手と手を重ねる


一つ一つ数える


君の祠の入口に立った


呼吸の方法が変わっていく


4歳のころから


大切なものをぜんぶあげたい


死んでも別にいい


ゆっくりと回転する


震えながら光る


物語を教えたい


頼りない天使になりたい


思いきって落ちる


夏がはじけて広がる


甘い果実の香り


どこにいるの?


自ら望んで迷子になった


何時間も電車に揺られて


君のそばで


発音したい


鼓動の音は透明に近づく


現実と幻想の境目はない


許されたい


絡み合う蜘蛛の糸


だんだんとバラバラになる


どうやって言う?


洗濯物を畳みながら


全然気にしてなかった


もうどうでもいいと思った


手を振る


逆さから水面を見下ろす


赤ちゃんみたいに


白くなって


何も言えなくなった


何も伝わらなかった


何もかもを失くした


たのしい


貝殻を拾っていこう


目を閉じればわかる


手さぐりで階段を降りていく


声になる前の声を出せれば


あの夜に帰れる


0とか1が変な模様をつくってる


ノートがパラパラめくれて


いなくなる前に


存在してる意味を考えてる場合じゃない今は


なんでもいいからなにか選ぼう