日報

あるいは遺書

りゅう

無題

空と海の交わるところで


水をたっぷりと含んだ


夕日の青さを信じる


堕ちていきながら昇っていく


水面を逆さから見下ろして


光のゆらめきと一体になろうとする


人間


積み上げてきたもの


忘れたもの


音楽


誰かになりたい


傷の入口を見つける


翼をください


君になりたい


夢の中で触る


混ざり合いながら


歩いていこう


満ちる


億千の太陽の欠片


何を美しいと思いたかったんだろう


大きくなったり小さくなったりする


人形たちが歌いだす


古い時計の針の音


とても小さなきらめき


新しい匂いだ


それぞれの言葉の震え方を組み合わせて


皮膚のもっと奥に入っていく


ずっと遠くに飛ばされていく


色とりどりの風船


渡り鳥の流線


新しい重力で宙に浮く


空中で通じ合う


夜の優しさを抱いて


踊るように輝く


守れなかった約束


どこにも届かないままここにいる


一つになるのは難しいことじゃない


細胞のささやき


風を切る


やがて意味をなくす