日報

あるいは遺書

りゅう

反射する


胎内の音


ゆらめきに指先を浸して


風景は風に揺れる


水の中にいるみたい


置き去りにした痛み


あの時間の流れ方をまだ忘れていない


飛び出す絵本


どこに連れていくの?


迷子の影と手をつなぐ


その温もりもまだ忘れていない


翼をください


心地いい膜


哺乳類の子孫


ふやけた感覚器


愛でて


目と手


天国を信じてる


もっともっと弱くなって


君に会いに


消えた星


間違ってなかったんだって


教えてあげなくちゃ


光の方へ


見覚えのある景色


君の目が最後に捉えたもの


しんとした冷たい静けさ


祠は開かれる


その向こうに通じている


抱かれて


花を散りばめる


印をつける


帰り道はもうないけど


すぐにわかるように


優しさを忘れないように


こぼれた笑み


大切なゆめ


ふと鳴きたくなる



まだ遠いのか


言葉が解体され始める


ありがとうもさようならも


もうすぐ意味を失う


ゆれる舟


柔らかな朝


小さな約束


身体の力がふっと抜ける


許されてしまう


手紙を書いたらもう行かなくちゃ


窓の外


曇り


不確かな