日報

あるいは遺書

りゅう

てんとうむし

またあの子の季節がきた


歩くために歩くだけ


太陽を信仰している


森のお化け


意味の反転


ゆっくりと朽ちていく姿


旅の人


花を手向ける


大地の呼吸に合わせて


思い出せなくなった記憶を空に還す


影をほどく


怒りを分解する


自動的に反復する


幽霊になる


日差しを食べながらうなずいた


ブランコに揺られて


自転車に揺られて


最後にたどり着く場所の話をしたい


詩と夕日


透きとおるような白い肌


君の生活


台所


質感を指でなぞる


小さな神さま


通学路


蛇が蛙を食べるみたいに


大きくて怖い波


誕生日おめでとう


知らない国の名前


目と手


走って、走って


全部壊したい


女の子の匂い


列車は過ぎ去る


透明な周波数になって消える


誰にもわからない


未知なる感覚が蠢き続ける


いつまでも


色の中に溶けたい


未来の記憶を喪失した


あの時初めて心の存在を自覚した


魚になりたい


冷たくて温かい


頭の中をぐちゃぐちゃにしたい


見たり聴いたり触ったりしながら


どこにも行けない


どこにでも行ける


138億光年先までさっと広がる


てんとうむし


赤ちゃんの歌


おそろいの幻


迎えにいこう、世界が終わる前に