日報

あるいは遺書

りゅう

おおらかなちから

ゆれながら、まわりながら、虹の影のように


失われていきながら、たのしい、うつくしい


水面に映る光が魂の温度を明確にした


さようなら


流れていくもの


膨らんでは弾ける、色


色とりどりの、鳥、風船


弾ける、炭酸の泡、今


風景が風景の意味をなさなくとも、どうにか


上手く伝えられなくてもいいや


桜の花びらは容赦なく


仄かなゆらめきを抱いているよ


鳥は、風をつかまえて、きらきらと


遠ざかっては近付いて


沈む落ちる滲む、心地良い


喜びが喜びのままで、大切な意志、さあ、行こう


やさしさが必要だろう


難しいから、頼りないから、まずはここから


さようなら


愛しい


潜りたい


おおらかなちから


深呼吸


世界は光に塗られる


橙色の天使がやってくる


ざわざわ、りんごの木がそよぐ


黒と白の間で風に吹かれていたい


目を閉じたまんま、生まれる前の水


もうすぐ朝になる


どういうふうに、聴く?


いつか、この世界がなくなっても


空を渡る


喜びと悲しみの二重螺旋に乗って


硝子を水に沈めるような君の仕草が好き


想像力の部屋で遊ぶ


完全に削除された後の真っ白な雪


記憶を、この両手は、触れない、海を渡れない


良いアイデアは生まれない、雨はやまない


だとしても、交換しよう


大きくなったり小さくなったりする


意識の中で念じる


心の祠の前に立って


一面にゆれる草の香り


いちいち大切だ


大きな流れの中に、鍵を投げ落とした、放物線


法則は働く、十字架はきらめく


幾層にも幾層にも織り重なって


時計の針を戻すような手つきで


ここに立っていることが不思議だと感じる


大きな鐘の音


悲しみや怒り


小鳥を逃がした


窓の外


シュプレヒコールは遠く木霊して


まるで水の中にいるみたいだった


視界に白が混ざりすぎている


君に会えないことを寂しいと思った


夢の世界は宇宙の穴に通じている?


誰かが誰かを蔑ろにするたびに


季節は夕暮れて


未来から過去へ花束を投げる


残された時間は誰のために?