日報

あるいは遺書

りゅう

無題

飛行機の音、ごーーー  


幽霊になることは怖くはない


色鮮やかな風船をたくさん空に見送った


空白を埋めていくような銀河鉄道の夜


風景は青く滲んで嘘みたいだ


ゆれる草の匂い


丁寧にすくい取った小さな結晶


どうすればよいかわからない


青の真ん中まで


落ちる沈む滲む


また遊べたらいいね


鐘の音、放課後


春の妖精と炎がゆらめく


お宮の中から


心臓の中の音楽が鳴る部屋


風があらゆるものを揺らしていく


太陽が太陽である限り


この体を使って


ゆるやかに下降、して、鳥の群れ、粒を拾う


音を奏でて、仄かな、階段を降りて


もうすでに遅くて


時計が紡ぎ出す音楽を、大切に抱きしめて


空蝉の扉を開いたら


まだ出会ったことのない友達のために、言葉がひつよう


底に沈む、働く、移動していく、だんだんと枯れていく


体は壊れはじめて、薄いグレーになってまあいっか、仄かに香る


水たまりを踏んで、喜んで


古い時計に蔦が絡まって水に沈んだんだって


それは綺麗だね、愛おしいね


たくさんの模様にさまざまな思い出を飾り付けて


ふわふわと舞う羽になる


静かになったんだ、白い瞳が


浸透させて、全部が全部のままで


不可解


飛ぶように落ちていこう


水平線と桔梗いろの空の混ざるところ


つくりあげた形がやわらかくこわれる


ふわりふわり