日報

あるいは遺書

りゅう

みなしごのゆりかご

冷たくて温かい影と深く繋がって


輪の振動


遊びたい


子どもの記憶転がる


どこかにある


たおやかな呼吸


君だけの愛しい沈黙


つかまえて


風の鳴る方角


仕組みを解き明かしたい


青くうねる存在


音が恋しい


夢でしか行けない場所に


君を連れていきたい


可能性がざわめく


見せたことのない表情をみせて


何度も入れ替わる


水をたっぷりと含んだ細胞


最後は星になるように


上へ、上へ


未来から過去を切り裂く


歌はそのためにある


君の小さな波になる


やかんから白い湯気


始まったり終わったりした日々


写真を撮る


羊水のゆらめきに指先を浸して


螺旋階段を降りていく


踊るように


息をするように


新しい匂いを想像する


太陽の周りを一周して


またここに戻ってきたら


約束の場所に行く


名前も知らない花を髪に飾った


笑ってないときも笑ってると思う


季節と季節の間に静かに佇んで


ひかりをあつめる


目に見えない小さな結晶


見つけたよ


また駆けていく


夕日の青い火が街を包む


みなしごのゆりかごは揺れる


ここが分岐点


清潔な風を胸いっぱいに吸って


喜びと悲しみを悼む