日報

あるいは遺書

りゅう

無題

赤い影が炎のように揺らめいて綺麗だった


また子供になりたい


橙色の天使の髪飾りがきらきら


窓を開けたいよ


奇形の子の声に耳を澄ます


悪夢の中でこそ光をイメージして


悪夢の中でさえ光をイメージした


悪夢の中でのみ光をイメージできた


お母さんは悪くないよ


心の祠がかたかたと震える


トンネル、海、トンネル、海


驚いた


迷子


膨らんでいく、変わってしまう


鬼ヶ島の桜並木


粉々に壊れた硝子がネオンを反射して


周回軌道上を永遠に漂う


生まれてきてくれてありがとう


ビー玉のような瞳


ケーキと紅茶と


もっと遠くまで行けるはず


抱きしめてくれた人へ


大きな樹、ざわざわ


原っぱに寝転がって逆さから空を見下ろす


大切なものをその中に沈める


飛行機、胎内の夢


体中から言葉が湧いてきてどこにも行けない


糸と糸を交差させている


お腹の中で繭を育てる


目を覚ましていたい