病院
太陽の欠片を心臓に突き刺して
笑って見せた
あなたの最期に痛みがありませんように
影が部屋を満たし始める
これまでと違う方法で息をする
ここにいるということを確かめるためには時間が必要だから
出口はない
風が髪を揺らす
混沌とした渦に引きずり込まれるのを黙って見ている
色が混ざり合っては分裂する
体の中に残った疲れを丁寧に温めていく
卵を内側から叩く音
そのとき龍脈が逆流する
君はさようならと言った
青い街を愛しいと思う
交互に縫う
神を失った民の祈りに耳を澄ませ
声にならない声、歌にならない痛み
言葉をください
温もりを身に纏わせてください
何か作らなくちゃ
病院の白いベッド
清潔なカーテン
帰りたいよ、あの場所に
何か作らなくちゃ、あなたのために
地球の核と繋がっている
空の向こう側へと繋がっている
この体が失われるとき、優しさに満たされていたい
目を閉じることは、決して怖くはない