日報

あるいは遺書

りゅう

無題

あなたの子供は死なない


笑う


とても静かな気持ちになって


逆さに見下ろした空は夕焼けで


カナリアの声を真似ながら君は


青へ


まだどこにもいないあなたに向けて


白い記述をして


泡を吐き出す


深淵は見ている


誰かの何かを深くすくい上げるために


何かの誰かに奉っていくよ


さあ、


青を呼吸して


浸透させて


春の夜風に髪をなびかせて


ふわふわと時間の川を滑っていく


過去から未来へ


未来から過去へ


大丈夫だよと言って、橙色の天使に振動が伝わって


その輝きを食べて皮膚が笑った


遠くへ、遠くへ、遠くへ綺麗だ


音の雨粒を舐めとって


金色に光った輪郭の線と線を合わせるように


やるせない家の陰影のくぼみに挟まって


もういいかい、探し始める


幽霊の声を逆さから読んで


今、今が終わって、ささやかな、うららかな


硝子を水中に沈めたら気持ちよかった


体中から湧いてくる言葉を一つにしなきゃね


生活をして、ケーキと紅茶を並べて、句読点を打って


さあ続けよう、僕を捉える、僕を逆さにする


どこかに、どこに?


あまりにも残酷な、あまりにも綺麗な、非対称性


やめて。許して。超えて。祠へ。


震える地面、ぶるぶるぶる


飛行機は飛んでいくよ


赤い影の炎がゆらゆらゆら


ゆるり、ゆら、ゆらり、ながら


ここにいてよかった


さようなら。羽。


言葉と言葉の継ぎ目の沈黙、そこに置かれた


なんでそんなきらきらするの?


寝ぼけ眼で窓の外見下ろして


ああ、視界に白が混ざりすぎている


歪な風船、赤、白、青、黄、黒


僕はどこにもいないから、いつでも君に会えるんだ