日報

あるいは遺書

りゅう

魂の境界

黄金色の日差しに染まって


眠り続ける


温度を伴う固有の声が


星の欠片を辺りに撒き散らして


静寂の震えに満たされる


花を飾ろう、君のそばに


意志を失った瞳に


愛に満たされた空の泉に


深く、深く、深く、深く、


沈み込んでいく


行き場を失くした影が


四角く囲う白い壁が


前進することも後退することもできない


だだっ広い広場に置き去りにされ


風が木の葉を揺らすのを


ただ眺めるだけだ


昆虫の足音を


ただ耳にするだけだ


顔のない人形の吐息


幾何学模様を描く天空の使い


大いなる大地の振動


生きようともがくほど本当の痛みに触れる


出口はないよ


君に逢えてよかった


熱湯を一息で呑み下す


正義や悪の生まれるもっと前


原初の記憶の中へ


宇宙のどこかで鳴り続けている音がある


そこから必要な力だけを汲み出す


皮膚は空気に溶け出し


魂の境界が露わになる


素粒子


光の扉


歌になる前の歌


僕たちの歴史


男の子と女の子が入れ替わって


深い穴の中からいなくなった人たちの声


自転車を漕いで風を捕まえる


全身の細胞が表情を変え


終わりと始まりの間を行ったり来たりする


時間が過去から未来へと流れているとは限らない


はねがひらいていく


君の幸せが僕の幸せ


まだここにいていいの?


分裂した月が心の柔らかい部分をとらえる