日報

あるいは遺書

りゅう

無題

深い渦に飛び込むしかない


心臓を整えて


形と影をしっかりと抱いて


おれはあの記憶を忘れるのだろうか


大勢の人が少しずつ癒してくれた


彼を処刑してはならない


小さな囁きでしか届かない声がある


それを掻き消してはならない


海月のように光を感知して


快と不快の間をジグザグに進む


プランクトンを食べる


天国の扉を開ける


朝にしかない輝きを集める


列車に乗っていく


さよならを告げてももう遅い


黒い鳥が描く幾何学模様をただぼんやりと追いかける


おれの体を通して何かの力が大地へと流れ込む


心と体は密接に繋がっている


というかむしろ絡み合っている


左右対称


手に入れた瞬間に失うものについてせめて憶えていたい


殺戮の歴史


墓を建てていただけますか


アイスの棒とかで構わないので


おれを殺そうとした君をおれは許すから君もどうかおれを許してください


人は歌うことができる


瓦礫の街から