日報

あるいは遺書

りゅう

呪いを打ち消す波動

春の幽霊を呼んで


木陰に座ろう


活字は誘う


反時計回りに動き出す


知らない国を旅する


名前のない国


言葉のない国


空気の中から愛を引き出して


影と対話する


重力のない渦


歌の匂い


廃墟の神殿に射す光


陰影


白と黒の間


僕はだんだんいなくなる


目を閉じて


眠りの国と一つになる


友達が笑っている


失われた命がまた


水の中


新しい体になった


できた


風が木の葉を揺らす音、ざわざわ


この世界の成り立ちについて


なんとなくわかった


昆虫が歩く


快と不快の間、綱渡り


お母さんが優しく


緒を伝って話しかける


呪いを打ち消す波動


感情を表現してみる


善も悪もなくただ光だけが満ちている


声が扉を開く


時計回りに動き出す